特集 地方にエンジニアを!株式会社ネットケアサービス 取締役 金子竜二さんインタビュー

2016年、萩市椿東に開設された株式会社ネットケアサービスの萩テクニカルセンター。大阪に本社を構えるネットケアサービスは工業系(半導体、液晶、ソーラーパネルなど)のコンピューターネットワーク設計・構築・保守などの事業を手掛けられており、萩テクニカルセンターでは主にソフトウェア開発をされています。
そのネットケアサービス取締役であり、萩テクニカルセンター設立に尽力された萩出身の金子竜二さんにお会いし、お話を聞いてきました。

■萩テクニカルセンターを開設された経緯をお聞かせください。
-まず、私が萩出身者であり、数年前、帰省し同級生と会ったときに、衰退が進む萩の現状を聞かされ、「萩にはIT企業がない。何とかならないものか。」とお願いされたところからスタートしました。

■萩出身なのですね。学生時代からITにご関心が?
-いえ、理系で大学こそ工業大学にいきましたが、学生時代はITを学ぶどころか、かなり堕落した生活を送っていました。お陰で就職活動のときも大学側が成績証明書を出そうとせず、採用試験も受けさせてもらえない可能性もあったほどです。(笑)

■ITスキルを身に付けられたのは就職してからとなりますか?
-はい。就職希望はNEC山口で、私の担当面接官が後に社長となる当事の常務でした。まともに大学に行ってないことを正直に話すと、希望していた計画部システム開発課に配属させてもらいました。当時の部署ではパソコンではなく、最新のスーパーコンピューターを使ってのシステム開発でしたので、学生レベルのパソコンスキルの有無はほぼ関係なく、誰もが1から学ぶような分野でした。

■いきなり最先端だったのですね。ネットケアサービスへの転職の経緯は?
-27歳で退職を考えてたらNEC本社へ出向が決まり、半導体の情報システムセンターに配属され、中国の国家プロジェクトのネットワーク設計者となり、その流れで30歳まではNECで頑張りました。そうして退職希望を受け付けてもらったのですが、ネットケアサービスの親会社の㈱アルダックに転職を薦められ、設立して間もないネットケアサービスに就きました。

■金子さんの能力は日本の宝だと思われてのことでしょうね。
-それはわかりませんが、当時のNECはとても優しかったです。

■萩テクニカルセンター設立についてですが、同級生に望まれたからといって簡単にできることではないかと思いますが・・・。
-うーん。思いの部分では、やはり郷土愛というか、地元が弱まっていくのを指を咥えて見てては…という部分が一番です。ただ、この分野は人材さえいれば場所を選ばないところもあり、人件費の安い地方にサテライトオフィスを設ける企業もあります。都市部よりは安いけど、萩の平均給与より高く賃金を設定できればwin&winとなりえることが前提にあり、そして地元で設立することのメリットとしては、情報を得るにしても、何か事を進めるにあたっても、コミュニティが小さいので話が早いところにあります。

■なるほど。企業としてのメリットもあるからこそなのですね。昨年1月に事業を開始されてからいかがでしょうか?
-「何十人雇用を生んでくれるのか?」という非現実的な期待を寄せられていましたが、当初から、スタートは少人数でも人材育成のペースにあわせ毎年継続的に雇用を増やすことを目標としていましたので、1年たった現在、ゆるやかではありますが、計画以上のスピードで雇用は増やせています。

■現実的な成長を遂げられているわけですね。今後の展望をお聞かせください。
-先ずは、計画どおり、エンジニア、プログラマを育成し、本社からの仕事を請ける量を増やしていきたいと思います。また、それだけではなく、弊社の能力で地元萩へ直接的な貢献をも考えています。現在、提案しているのが、観光客が萩市全域でクレジット決済できるシステムの構築です。今後、ますます現金を持ち歩かない時代がくるでしょう。それなのに現金を持ってなければ買い物ができない町では、外資を得れなくなってしまいます。クレジット決済を取り入れてないお店は、やはり手数料により利益率が下がることを問題視されている。そこで思いついたのが「まちじゅうルームサービス化」です。宿泊施設の多くはクレジット決済を導入されていて、ルームサービスの料金は宿泊料金にプラスされます。その会計システムと市内での買い物とを紐付けるシステムを構築すれば、現金レスで観光を楽しめ、地元に外貨が落ちやすくなるでしょう。そのシステムは弊社でも作ることができますので、後はシステム導入を市内業者が受け入れてくれればというところです。

■それは凄く期待もてますね。ただ地元事業者の理解が必要不可欠で、デジタル潔癖症が多い田舎では決して低いハードルとは思えませんが…。
-そうですね。それを変えていくためにもITに強い人材を増やす必要があると思います。ですので、萩テクニカルセンターではIT系の認定試験が受けられるようにし、また今後はプログラミング塾のようなことも展開していきたいと考え、その設備の方へも力を入れています。

■素晴らしいです。IT革命以後、凄いスピードで時代が変わっていくなか、IT弱者が多い町では新しい動きは生まれにくいと思います。是非、ネットケアサービスには、この北浦のIT分野の成長を牽引してもらえればと思います。ありがとうございました。

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