Uターン人インタビュー 食堂カフェ・ソレイネ 大村 真由美さん

9年前、両親の介護のため地元日置にUターンし、6年前に食事カフェ・ソレイネをオープン。昨年、地元日置を元気にしようと日置まちづくり協議会の発起人のひとりとして発足され、現在、日置つつじ祭り実行委員会委員長として活躍される大村真由美さんにお話を聞いてきました。

■9年前地元に戻ってくるまではどちらにお住まいで、どのような生活をされていましたか?
-千葉県に住んでいました。職場は東京の渋谷で、片道1時間30分を電車に揺られて通勤するといった生活でした。

■地元に戻ってきての生活と大きな違いは?
-色々と違いはありますが、大きな違いは、趣味や余暇を楽しむ環境が変わったことです。向こうに住んでいたときは、朝5時くらいには起きて、朝食、弁当を作って通勤といった感じでしたが、電車に乗っている間は読書ができていました。移動手段は主に車という田舎に戻り、それまで読書に使えていた通勤の時間はとても貴重な時間だったなと思えました。また、映画やコンサートなど気軽に行くことができていたところも大きな違いです。田舎に帰ればゆっくりと過ごせると思われる都会に住む人は多いかもしれませんが、決してそんなことのない現実がありました。帰ってきた当初は、時間も含め、色々と「やってられない!」って気持ちになっていましたね。

■食事カフェ・ソレイネを開業された経緯をお教えください
-両親の介護も一段落し、3人の子どもも皆大学を卒業し、社会人となったので、同じ日置出身の主人も千葉からこっちに移住してきました。
私の生家は昔、日置が栄えていた頃、6軒あった呉服屋の一つでした。日置を元気にするために使われてない建物を活用して主人と一緒に何かできないかなと考えたのがきっかけです。人が気軽に足を運ぶことができ、地元の人と観光客などの来訪者が交流できる場所であり、そして農産物、水産物ともに豊な日置の食材を使った料理を提供するお店をつくろうと一念発起しました。

■とてもお洒落な空間で「日置にこんなお店があるんだ!」と驚きました。
-東京にいる息子が設計士で、息子が設計してくれました。オープン当初はとても浮いたお店だったかもしれませんが、今では地元の人も多く来られ、町に馴染んできたと思います。

■それでは日置まちづくり協議会立ち上げについてお聞かせください。
-古市という地名があるように日置は長門市の中でも一番最初に栄えていた場所でした。私が若いときは呉服屋も残っていましたし、子どものときはお祭りもいっぱいありました。それが時代とともに廃れていくのを地域の多くの人が感じ「何とかしたい!」という気持ちはあるものの、日々の忙しさに追われつつ、個人が思ってもどうにもならないところもあり、効果的な改善へ向かえずにいたと思います。私が日置に戻ってきても、同じようなことを感じていました。
仙崎、湯本、俵山、向津具などに、まちづくりコミュニティーがあるように、日置にもまちづくりコミュニティーを作ろうと機運が高まったのが一昨年。そうして立ち上げまでの半年間、勉強会やセミナーなどが開かれ、昨年3月、設立に至りました。

■立ち上げて1年ですが、どのような活動をされていますか?
-日置まちづくり協議会の活動は大きく3本立てとなっています。一つは、私が実行委員長をさせてもらってる「日置つつじ祭り」。2つ目は、先ほど話にも出ました伝統的建造物が並ぶ古市を舞台に開催している「古市レトロでバザール」。そして3つ目は高齢化が進む町を暮らしやすい町にするためのアンケート調査となっています。

■実行委員長をされている日置つつじ祭りについてお聞かせください。
-日置には、この北浦で一番の絶景である千畳敷があり、多くの観光客に賑わいます。その千畳敷に向う途中に赤、白、ピンクの色とりどりのキリシマツツジが18,000本植えられている菅無田公園(すげむたこうえん)という親水公園があり、こちらも日置の素晴らしい観光資源としてポテンシャルをもっています。ツツジが咲き乱れる4月下旬から5月上旬の間に、この素晴らしい景観をもっと多くの人に知ってもらい、日置の素晴らしさを感じてもらいたいと企画しました。
ただ・・・、昨年第1回目の開催となったのですが、ありがたいことに予想以上の来場者となり、交通整理に人員を割かれ、来場者へのおもてなしが十分なものとなりませんでした。ですので、今年はメイン会場を千畳敷にしてフリーマーケットを開催し、ツツジの観賞は菅無田公園でしてもらうといった形式を取らせていただきます。

■それは嬉しい想定外ですね。今後の展望をお聞かせください。
-日置まちづくり協議会の方は、地域の皆さんとともにトライアルアンドエラーを繰り返し、その結果、若い人たちが、一度はこの土地を離れ、多くを学んだ後、再度この土地に戻ってきたいと思える、戻って来易い環境となることを目指しています。
また、個人としては、簡単(安価)に宿泊出来る施設、“農家民宿” “ゲストハウス“ が出来ないかと考えています。何年か前までは、日置の黄波戸には観光旅館も幾つかあったのですが、現在では宿泊するのに日置より離れたところに行くしかありません。「帰省したとき兄弟が住む家に泊まるのは忍びないし、かといって観光客向けの旅館に泊まるほどでもないし。」という声を良く聞きます。バックパッカーのような観光客向けにも、帰省される方にとっても、気軽に泊まれる宿泊施設あれば良いのではないかなと。この問題解決の先駆けになることを期待して、古民家を改装しています。空いた時間を見つけては主人がDIYで工事していますが、オープンまでにはまだ時間がかかりそうです。

■それも凄く期待できる取組みですね。今話題の元乃隅稲成神社へ行かれる観光客も最寄駅である長門古市駅で下車されようで、海外からの観光客も見込めますね。英語の対応は?
-主人が外資系の会社に勤めていて、海外赴任の経験もあり、ある程度は話せます。「使わないと忘れていくな」と言っていましたので、使える機会が増えることを期待しています。私自身も会話に参加出来たら、また主人が不在の時でも対応出来たら、と思い、スピードラーニングに挑戦しようかなと考えています。(笑)

■それでは最後に読者の方にPRがありましたらどうぞ。
-今年の日置つつじ祭りは4月29日(日)に開催いたします。現在フリーマーケットに出店してくださる方を募集しています。参加料は500円。申込〆切は3月30日までとなっています。申込・問合せは090・5411・6557までお願いします。

■ありがとうございました。