Uターン者 農業起業! 梅さんの農園 梅地孝也さん(38歳)

梅地さん

■梅地さんはUターンで農業起業されたそうですが、起業する前のお話をお聞かせください。
-阿武町奈古で生まれ育ち、高校を卒業して広島のサッカー専攻課のある専門学校に進学し、卒業後は大阪でサッカークラブの指導者を16年ほどしていました。36歳のときに体を壊したのをきっかけに帰郷し、地元に戻ってからは萩市にあるフットサルクラブ・バンブーFCのスタッフとして小中学生の指導をしながら、兼業農家である実家のお手伝いをしていました。

■ご実家の跡を継ぐ形で起業されたのですか?
-それも一つの理由ですが、私の住む阿武町”土“という地区は農地が多くありながらも後継者がおらず休耕地になっているところばかりで、農業に身を置く若者は私だけとなっていました。また実家に戻り農業を知れば知るほど、産地偽造、また農薬が与えるものなど、それまで安全だと思っていたものに対し疑心を抱くようになり、食の安全について考えるようになりました。なので、家業を継ぐというよりか、地域の休耕地の有効活用と食の安全のための起業となります。

■どのような作物を生産されていますか?
-もともと米の生産者が多い地域なので、米の生産をベースに、親も作っていた里芋に加え、「インカのめざめ」「レッドムーン」や「きくいも」等々、メジャーどころでない種類の野菜を作っています。また最近では、萩市大島に古くから伝わる伝統野菜「赤にんにく」を復活させ売り出したいと考えています。

■販路はどのようにされていますか?
-近郊では道の駅阿武町や道の駅萩往還、萩市内の飲食店に卸させていただき、市外では広島の飲食店に直送させてもらっています。また、米はインターネットで販売し、大阪など都市部の方が購入してくださります。昨年作った新米はあっという間に完売しました。

■今後の展望をお聞かせください。
-後継者不足による地域の一次産業衰退を打破するため、まずは農家のイメージを変えていきたいと思います。販売は誰かにお願いすると儲け難いですが、自らで販売までやると売上げは倍近く増えます。また取引先のニッチなニーズに応えることで生産コストを大幅に下げることもでき、利益率は上がりもします。良いものを作るのはもちろんですが、ビジネス農業として確立することで、地域の一次産業者減少に歯止めをかけたいです。また、私がそうであるように、サッカーの指導をしながら農業をするといった、自分の好きなこと+農業で生活ができる。そのライフスタイルを都会に発信し、Iターン就農者が増えればと思います。もちろん、いきなり他所からきて農業で起業することはとてもハードルが高くなりますので、Iターン農業起業希望者へアドバイスできる先駆者となれればと思います。

■ありがとうございます。

梅さんの農園
阿武郡阿武町奈古土
https://umefarm.jimdo.com/