次世代のリーダーを育成する課外授業「GLBC in 萩」

GLBC

学校で習うあらゆる問題には「正解」があるが、社会に出てぶつかる問題には「それが正解」という答えがない。そんな「答えがない問題」をどのように解決するかを学ぶ中高生向けの課外授業「GLBC in 萩」が、先月20日に萩セミナーハウスで開催されました。
この催しは、地域活性化団体「萩LOVE」(大平憲二代表)と萩ふるさと大使の井関隆行氏が主催したもので、講師には、東京の都立高校などを中心に独自の次世代教育プログラムを提供している、次世代教育のテラス株式会社代表の中鉢(ちゅうばち・しん)氏と長谷悠滋(はせ・ゆうじ)氏を迎えて開催されました。
「GLBC」とは、「グローバル・リーダーシップ・ブートキャンプ」の略で、テラス社の独自の次世代教育プログラムです。地方の人口減少や格差是正といった大きな社会問題はもとより、人間関係や将来への不安、自信を持てないといった個人的な問題まで、答えがない問題とどのように向き合って、目標を設定し、実現するかを学ぶもので、通常2泊3日で行われる内容を1日に凝縮して実施しました。
当日は、県立萩高校、県立萩高校奈古分校、県立萩商工高校、萩光塩学院高校の新1年生から3年生までの希望者19名が参加。学校も学年もバラバラに組まれたチームは、最初はぎこちなかったものの、様々な活動や話し合いを進める中で一体感が生まれ、プログラムの終盤では、実際の社会問題を題材に、学校の授業では禁じられがちなスマートフォンやタブレット等の情報端末も積極的に活用して独自の解決案をまとめて発表しました。テラス社の教育プログラムが目指すところは、普段、学校や地域のなかに収まりがちな子どもの思考を外側へと導きだし、大局にある課題について考えたり、多様な人物に触れたりすることによって、自分の中に眠る可能性に気づき、知ってもらうことあるとのこと。これから社会へ出ていく子どもたちにとって、予測がつかない不確実な世界を生き抜くために必要な「力」について学ぶ貴重な1日となったようです。

中鉢さん
次世代教育のテラス株式会社代表・中鉢慎氏
首都圏をはじめ、様々な地域でこのような授業を行っている中で、いつも気づかされることは、どの地域の生徒であっても全く遜色ない結果を出すことです。潜在的な力に地域の差はなく、能力を拓く機会さえあれば、彼らの世界はぐっと広がり、目を見張る結果を見せてくれるのです。教育機会を作ることは、私たち大人が次世代へ送ることができるかけがえのないプレゼントです。すべての子どもたちが教育機会を得られる社会になることを願っています。